Tancerka Japońska - ポーランドの日本人バレエダンサー!

ポーランドの劇場で働く日本人バレリーナライフ!

入団の経緯

 

今のバレエ団に来ることになった経緯について。

 

これ、よく聞く台詞だと思うけど、、、言います(笑)。

「運とタイミングです。」

 

オーディションしてた時のことは、また改めて書こうと思いますが、First Contract / First Company、いわゆる初仕事、をバレエの世界で見つけるには若い方がいいって言われます。若い方が体力もあって踊れるし、そのカンパニーの踊りのスタイルに馴染みやすいから。若い方が圧倒的にチャンスは多いらしいです。(もちろん、ある程度歳を重ねても受かる人は受かるんですが。)

私が聞いていたのは20歳超えると初仕事を掴むのは厳しいと言うこと。だから、20歳の間に初仕事を得ようと秋からオーディションを始めました。

オーディションサイトを毎日チェックして、とにかくあっちこっちのカンパニーへメールでCV(履歴書)、写真、ビデオを送る。

「クラシックのレパートリーがある」なら、オーディションしてるところにはほぼ全部メールを出しました。

ただ、これでオーディションのインビテーションをもらえることはほとんどなくて、返信が来たかと思えば、大体「お祈りメール」と呼ばれるもの。

 

秋からオーディションしてたけど、どこからも契約はもらえず3月になってしまっていました。もうオーディションシーズン自体が終わろうとしていた。これは、かなり焦りました(笑)(汗)。

その時に、ルーマニアのカンパニーからインビテーションを貰うことができて、オープンオーディションに行き、契約をもらうことができました!

…んだけども、もう少し探したいなぁ、なんて欲が出てきてしまって。。。

もう少しオーディションの申込をしてみることに。

新学期には大学に戻るつもりだったので、4月半ばにあると掲載されていた、ここのオープンオーディションに申し込んで、それで日本に帰ることにしました。

 

連絡をしてみると、なんとプライベートオーディションで見て貰えるとの返事!なんともラッキー!

 

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オーディションには、

①何十人、時には100人以上の受験者の中で審査される「オープンオーディション」

②カンパニーの通常の仕事日に1人、あるいは数人でまぜてもらい、審査される「プライベートオーディション」

の2つがあります。プライベートオーディションの方がしっかり見て貰えるし、クラスを受けた後にリハーサルを見学したり、団員の方に話を聞いたりもできるから、プライベートオーディションの方が利点が多くて、契約を貰いやすい、と言われています。
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そのプライベートオーディションを経て、ここのカンパニーで契約を貰うことができた。階級もコリフェ(3つあるうちの真ん中)でとって貰えると!

正式な結果通知は、劇場全体のディレクターの許可を取るまで出せないから2週間ほど待つように、と告げられ、日本へ帰りました。

口頭での採用は取り消されることも多いと聞いたことがあって、その時はソワソワして仕方なかったけど、その後無事採用通知のメールも届き、入団のための手続きを進める運びとなりました😊

 

「運とタイミング」って言ったけど、

・元々、ここのカンパニーの名前自体聞いたことがなかった。だから、オーディションサイトに求人広告が出ていなかったら、メールを送ることもなかった。

・日本には、大学の単位を失わないギリギリの出席回数のところに合わせて帰った。もし、ここのオーディション日があとちょっとでも後だったとしたら、ここに受けに来ることすらできてなかった。それに一度日本に帰ったら、またヨーロッパ に戻ってくるような余裕はなかった。

・送ったビデオのことも。ここには黒鳥とエトワールを送りましたが、黒鳥のビデオは3月の終わりにヨーロッパで出会った先生が撮ってくれたので、ここのオーディション申込の締切が3月末じゃなかったらエトワールしか出せなかった。

・それに、そもそもここのカンパニーに今年女性ダンサーをとる枠が空いてなかったら???

いろんなことがうまく噛み合うこともとても大切なんだと、言われたことは何度かありました。でも、百聞は一見にしかず、というのは本当で、実際経験してやっと、その言葉を受け入れられたな、と。

もちろん、目標を実現するためにやるべきことをやるのは当然で、自分のレベルを一定以上にしておかないと始まらないのですが、

小さなことがうまく噛み合う、その最後の一押しも意外と重要みたいと実感した瞬間でした。

 

そして、8月半ばにこっちにやってきました。またその手続きやら諸々大変でしたが(笑)。それもまた書きます😉

2019/2020シーズンの年間スケジュール

今シーズンのカンパニーは8月下旬に始まりました。

私は、日本では大学生なのだけど(ただいま休学中)、8月2週目まで大学だったから、今年は夏休みがほとんど無かった😭😭😭

1週間半しか無かった上に、こっちに来るための準備も色々あってバッタバタしてたし💦💦💦といいつつ、約1年帰ってこれないので、友達と会う約束もなんとか組んで、生きてきた中で一番密度高い夏休みだったと思う😂


で、今日の本題。

8,9月はクラスやリハーサルのみでわりとのんびりした月だった。

そして、10月にプロになっての初舞台。といっても、まず出た演目は"OLGA"というオペラ作品。ここの劇場では初演だった。オペラ公演にもダンサーが起用されることがある。

その次の週は、バレエ公演『ラテンアメリカの夜』。3つの小作品で構成されたトリプルビル的な作品で、アルゼンチン出身🇦🇷の振付家が昨シーズンの終わりに提供した作品。

その次の週もオペラ公演があって、一部のダンサーが出演していたけど、私はキャスティングされてないので詳細はよく覚えてません😅

11月は、『ジゼル』。1幕はポーランド振付家によるモダン、2幕は一般的なクラシックの振付。

どの作品もどこかの週の金土日の3公演をして、次の週は別作品という感じ。バレエ公演はひと月に1作品だから、実際舞台に立つのは「月3回+オペラに出る時」程度。入団する前の(自分の勝手なだけど(笑)) イメージよりかなり少ないなぁと来た時に思ったのを覚えてる。

12月は、クリスマス🎄の定番『くるみ割り人形』。これだけは特別で、3週間連続・週5回公演(笑)。ここに来ていきなりのハードなパフォーマンススケジュール(笑)。でも、舞台で踊ることを仕事にしているので、ようやくダンサーとしての実感を強く感じられて嬉しかったです。(4ヶ月目にしてって感じだけど(笑)。)

 

ここまでが現時点で終了したパフォーマンス。やっぱり『くるみ』はスケジュール的にも体力的にも、ハードだったと思うなぁ。

 

そして、年明けは1月3日から(日本ならまだ三が日やん(笑)) また『くるみ』の週末3公演。これで今シーズンの『くるみ』はお終い。

1月はずっとオペラ公演なので、出演するダンサーはそれにも出つつ、2月にこの劇場では初演となる『真夏の夜の夢』のリハーサルをするそう。

2月と3月にそれを上演して、その次は付属バレエスクールのガラパフォーマンスに出演。

4月に、10月に上演した『ラテンアメリカの夜』がもう一度あって、

6月に、これもこの劇場初『春の祭典』を上演するそう。

そうして、6月下旬にシーズンが終わり夏休みに入る。

 

ここのカンパニーはあまり公演数多くないけど、団員数30人弱で、ほぼ全員が毎公演出てるから仕方ないのかなぁとも思う。他のカンパニーではどうなんだろ。

 

今月までは既にカンパニーのレパートリーになっている作品だったけど、来週リハーサルが始まる『真夏の夜の夢』は新作。新作を作り上げていく過程ってどんなのかなあ、と楽しみにしてる♪♪♪

 

以上、今シーズンの公演スケジュールでした~。

パフォーマンス日のスケジュール

パフォーマンスの日って、いつも通り朝10時にクラスをして、午前のリハーサルをして。それで、夜のリハーサル時間がパフォーマンスに充てられる。。。って思ってた。

 

けど、違った(笑)。

本番当日は、基本リハーサルがない。クラスも朝にはせずに、夕方から、いつも開演の75分前に始まる。

45分でサッとバーと軽くセンターをして、開演30分前。残りの30分で衣装をつけてメイクの最終確認をして、本番。

 

それを知った時は、

。。。え😶。みんなそれで踊れるの、準備30分て短くない?レッスン45分だけ?!リハしないの!?!?!?

てな感じで衝撃だった(笑)。

 

今はもう慣れてしまったけど、当日にリハをしないってのはかなりの衝撃。雑誌のクララとかで紹介されてるバレエ団って(大手だから公演数も多いし事情が違うのだろうけど)、公演の日でも昼はリハーサルしてたりするから。

あと、クラス後の30分で一からメイクをしていると確実に間に合わないから、みんなクラスの前にメイクをするんだけど、汗かきの私はクラスが終わった時点でメイクが30%かひどい時は50%くらい落ちてしまう(笑)(泣)。だから、クラスの後にメイクをするだけの時間が本当は欲しい。(笑)

 

それに、朝の過ごし方も私は困ってしまう。パフォーマンスがあると思うと、疲れてもいけないし、でもあんまりダラダラもできないし、、、どう過ごせばいいのか、はじめの頃は特に困ってしまった。本番を控えていると思うと、やっぱり気持ちもソワソワするし。4ヶ月目でなんとなく自分のペースを掴めてきたかなぁとは思うんだけど、やっぱりどう過ごすのが一番いいか常に考えながら過ごしてる。

 

パフォーマンスがあるのは、基本、金土日の週末。金曜19時、土曜18時、日曜17時に開演するのもいつも同じ。公演は、どの演目もだいたい2時間前後で終わる。だから、金曜は帰りが遅くなってしまう。日曜は公演の後家でゆっくり過ごす時間を取れるから、日曜がわりと私は好き。開演が早いほうが、本番前のソワソワ時間も短くて済むし(笑)。

 

日曜働いた分は、また別の日にちゃんと休みがもらえる。

こっちに来て、日本ってほんと働きすぎなのかなって思うようになった。こっちでは、休日を与えられるのが当然。むしろ休みが少ないとかなり問題らしい。なんかもう、休日をもらうのが権利を通り越して義務みたいな節がある(笑)。まあこっちは逆に休みすぎだと思うけども。

 

てな感じで、パフォーマンス日のスケジュールでした〜。

次は今シーズンの演目とか、1年間のスケジュールを書こうかなぁ。

(もし何かテーマのリクエストあればコメントください☆)

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↑記事とは関係ないけど、この街で一番有名な景色をお届け♪

バレエ団での一日。

私が所属するバレエ団は、元々はずっとモダンカンパニーだったところ、2016年にクラシックのカンパニーとして再スタートを切ったカンパニー。

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劇場専属のバレエ団で、劇場の中にステージ、リハーサルスタジオ(オペラ、バレエ、オーケストラそれぞれ)、衣装室、メイク室、楽屋、事務所、、、などなど全てがあります。一つの場所で全てが済むというのは、本当に便利。日本ではそういう所はなかなかないので、来た時はやはり感動しました。

 

仕事のスケジュールは、公演のある日とない日で違うのだけど、今日は公演のない日のスケジュールについて書こうと思います。

 

バレエ団の仕事は週5日、火曜から土曜が基本。

朝10時にクラスレッスンが始まり、それが1時間〜1時間半くらい。

そのあと20分ほど休憩を挟んで、リハーサルに。リハーサルがあるかどうかは配役によって変わります。全くリハがない日もあれば、少しだけの日、みっちりリハが入っている日も。

午前すべてのリハーサルは必ず14時までに終わります。そのあと、なんと4時間の昼休み(笑)。みんな大抵は家に帰って、お昼ご飯を食べて、のんびり過ごしますが、私も含め、少し劇場から離れたところに住む団員は劇場の近くで時間を潰したりします。

そして、また18時からリハーサルを再開して21時までに終了。

これが基本のスケジュール。ただ、さっきも書いたように、配役によってリハーサルスケジュールは変わるので、ずっとリハーサルに参加する日もあれば、夜のリハーサルがない日、逆に午前のリハーサルがなくて夜だけある日など、本当にバラバラ。

リハーサル自体も、必ず時間を目一杯使うというわけでもないので、午前のリハーサルは13時辺り、夜のリハーサルは20時辺りに終わることも多いです。それは、その時期の演目のハードさや公演の数によって変わります。

 

正直、4時間というながーい昼休みはみんなが嫌いなのです(笑)。もうそれは決まりになっているから仕方ないのだけど、昼休みを1時間にすれば、毎日18時に仕事を終えて夜はゆっくり家で過ごせるのに。。。というのが本音(笑)。

やっぱり、21時に終わって帰ってご飯を食べてシャワーを浴びて…なんてしてたら寝る時間も遅くなってしまうし、次の日も朝からレッスンだと思うと、夜は早く家に帰りたいですよね〜(笑)。

 

リハーサル日のスケジュールはこんな感じ。次は公演日のスケジュールについて書こうと思います。

異国の地ポーランドでバレリーナとして生きる!

 

今年8月下旬、ポーランド北部の港町にやってきました。ここで約10ヶ月オペラ劇場に所属するバレエダンサーとして働くために。15年以上持ち続けてきた夢であり目標。思い描いていた理想の道筋を通って理想の結果を得られたわけではないけれど、なんとか叶いました。

新しい場所、異国での、初めての一人暮らし。今で4ヶ月ほど経って、生活も落ち着いてきました。

プロのバレエダンサーになることを将来の夢・目標としてやってきたけれど、思い返せば、自分の持っていた情報はあまりに不十分で、今になってもっとできたことがあったのに、と思うことも多くあります。

実際にここで働いてみても、来るまでは知らなかったことが沢山ありました。

 

そんな経験から、バレエダンサーを志す方から、ワークライフとしてバレエを楽しむ方まで、有益な情報を発信していきたいと思います!

 

では、ポーランドの日本人バレリーナライフ、スタート!